「完璧を目指さない」をコンサル思考で考えたら目的のズレに気づいた

コンサルの仕事では、「100点の資料を出すより、60点でまず出す」という考え方が重視されます。コンサル歴数年・双子育児中の筆者は、この考え方を育児・家事にもそのまま当てはめられるのではないかと考えていました。しかし、改めて整理してみると、両者には「目的の違い」があることに気づきました。この記事では、その気づきの過程を紹介します。

コンサルの「60点で出す」は、手戻りを防ぐための早期確認

コンサルの仕事で「60点で出す」ことが重視される理由は、最初から100点を目指して時間をかけてしまうと、方向性がずれていた場合に、その時間が丸ごと無駄になってしまうからです。

早い段階で60点のものを共有し、「この方向性で合っているか」を確認することで、もし方向性がずれていた場合でも、軌道修正にかかるコストを小さくできます。つまり、「60点で出す」という行動の目的は、「手戻りを防ぐための、早期のすり合わせ」にあります。

育児・家事で「完璧を目指す」目的は、子どもの成長や家族の安心

一方で、育児や家事において「完璧を目指す」という場合、その目的は、コンサルの「手戻り防止」とは性質が異なります。

例えば、食事のメニューを完璧に整えようとするのは「子どもの成長のため」、片付けや収納を完璧にしようとするのは「家族が快適に過ごすため」といった目的があります。これらは、コンサルの仕事のように「後で誰かに確認して、方向性を合わせる」という性質のものではありません。

このように整理してみると、「コンサルの60点」と「育児・家事の完璧主義」は、そもそも目指している目的が異なるため、「コンサルでは60点でいいから、育児・家事も60点でいい」と単純に当てはめることは、適切ではないと感じました。

もう一段深く見ると、「目的を見失わない」という点は共通している

ただ、もう少し深く考えてみると、両者には別の角度で共通点があるようにも思えます。

コンサルの仕事で「完璧を目指してしまう」と、本来の目的である「手戻りを防ぎ、早く正しい方向に進むこと」を見失い、結果的に「完璧な資料を作ること」自体が目的化してしまうことがあります。

同様に、育児・家事で「完璧を目指す」ことが行き過ぎると、本来の目的である「子どもの成長」や「家族が快適に過ごすこと」よりも、「完璧にやり遂げること」自体が目的化してしまう可能性があります。完璧を目指すあまり、親が疲弊してしまったり、続けられなくなってしまったりすれば、本来の目的である「子どもの健やかな成長」や「家族の安心」からは、むしろ遠ざかってしまいます。

つまり、「60点でいいから完璧を目指さない」という結論を直接当てはめるのではなく、「完璧を目指すこと自体が目的化していないか、本来の目的に立ち返って考える」という、もう一段上の視点であれば、コンサルと育児・家事の両方に共通して使える考え方なのではないかと思います。

実際に「目的に立ち返って」手を抜いている場面

この視点を踏まえて、実際に意識的に手を抜いている場面が2つあります。

1つは、夫婦自身の食事です。作り置きや、冷凍食品・宅配弁当を活用することで、毎食手の込んだものを作ることにはこだわらないようにしています。また、家事全般についても、「それなりにきれいであればいい」という基準で進めており、完璧な状態を毎回目指すことはしていません。

もう1つは、子どもの食事です。1食ごとに栄養バランスを完璧に整えようとすると、どうしても無理が出てきます。子どもが、その食事を気に入らずに食べないという場面もあり、1食単位で「なぜ食べないのか」と捉えてしまうと、親側の苛立ちにもつながってしまいます。そこで、1食単位ではなく、1週間全体を通して平均的に栄養が取れていればよい、という考え方に切り替えています。1食食べない日があっても、1週間の中で帳尻が合えばよいと考えることで、「子どもの成長」という本来の目的に対して、無理なく向き合えるようになったと感じています。

まとめ

「コンサルでは60点で出す方がいい、だから育児・家事も60点でいい」という当てはめは、両者の「目的」が異なるため、そのままでは成立しないと感じました。コンサルの「60点で出す」は手戻り防止のための早期すり合わせが目的であり、育児・家事の「完璧を目指す」は子どもの成長や家族の安心が目的です。

一方で、「完璧を目指すこと自体が目的化し、本来の目的を見失っていないか」を問い直す視点は、コンサルにも育児・家事にも共通して使えそうです。実際、夫婦の食事は作り置きや宅配弁当で手を抜き、家事も「それなりにきれいであればいい」程度に留め、子どもの食事も1食単位ではなく1週間単位で栄養が取れていればよいと考えるようにしています。「完璧を目指さない」という結論だけを切り取るのではなく、「自分は何のために完璧を目指しているのか」を考えてみることが、結果的に無理のない育児・家事につながるのではないかと思っています。

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