“「管理職に上がりたいですか?」と聞かれたとき、あなたはどう答えますか?
正直に言うと、ぼく自身、コンサルとして働く中で「このまま昇進して管理職になることが本当にベストな選択なのか」と何度も自問してきました。責任は重くなる、報酬の伸びは鈍化する、部下のマネジメントに追われる——そんなイメージが頭をよぎるたびに、足が止まる感覚があったんです。
その感覚は、決して個人的な弱さではありませんでした。
結論から言う:「管理職の罰ゲーム化」は数字が証明している
最新の調査データを見れば一目瞭然です。
- 56.7%が「自社の管理職は罰ゲーム化している」と感じている(エフアンドエムネット調査)
- 63.3%が「管理職にあまりなりたくない」と回答
- 管理職になりたくない理由1位は「責任・プレッシャーが増えるから」52.3%
- 「長時間労働になりそうだから」33.3%、「人間関係が面倒だから」32.0%が続く
- 一方、「報酬・給与が上がるから」と答えたのはわずか31.3%
つまり、管理職になることで得られるリターン(報酬)より、払うコスト(責任・時間・精神的負担)のほうが大きいと感じている人が過半数を占めているわけです。これは感情論ではなく、構造的な問題です。
なぜ管理職は「罰ゲーム」になったのか:3つの構造的要因
PEST分析でいうところの社会・労働環境の変化が、管理職のポジションを根本から変えました。要因は大きく3つあります。
①マネジメントの難度が爆上がりした
ハラスメント防止の意識の高まり、多様な価値観・働き方を持つメンバーの増加、リモートワーク下での信頼関係構築——かつて「背中を見て覚えろ」で済んでいた時代とは、マネジメントに求められるスキルセットが根本的に変わりました。
それなのに、管理職向けの研修やサポート体制が追いついていない企業が大半です。「名ばかり管理職」として、プレイヤーとしての仕事も抱えながら、マネジメントまでやれ、というのが現実です。
②報酬の伸びが鈍化した
2024〜2025年にかけて、初任給の引き上げや一般社員の賃上げが進みました。一方、管理職の給与は相対的に伸び悩んでいます。
結果として、「管理職になっても、一般社員と給与差がほとんどない」という状況が生まれています。コスト(責任・労働時間)に見合うリターン(給与)が得られない。これでは昇進を目指す動機が生まれないのは当然です。
③働き方改革の””副作用””が直撃した
残業規制の強化で、一般社員の残業は制限されました。しかし管理業務の総量は減っていません。その分のしわ寄せは、どこに行ったか。管理職です。
部下が定時で帰った後に、管理職だけが深夜まで残って書類を処理している——これが「罰ゲーム」と呼ばれる所以です。
コンサル視点での処方箋:管理職キャリアをどう考えるべきか
この問題を個人レベルで考えると、選択肢は3つに絞られます。
選択肢①:スペシャリストトラックに舵を切る
管理職にならずに、専門性を深めるキャリアパスです。IT・データ・法務・会計などの専門職は、管理職と同等以上の年収も狙える時代になってきました。自分の強みがマネジメントより専門性にあるなら、これが正解のケースも多い。
選択肢②:管理職になるなら「条件を選ぶ」
全ての管理職ポジションが「罰ゲーム」ではありません。管理職に対するサポート体制・権限・報酬が整っている企業や職種は存在します。転職市場を活用して、「管理職になるなら、ここ」という環境を主体的に選ぶのが合理的です。
選択肢③:副業・複業でリスクヘッジしながら昇進する
管理職としての組織内キャリアを積みながら、副業や個人での発信活動で収入源と市場価値を複線化する戦略です。ぼく自身もこのアプローチをとっています。組織に依存しきらない状態を作ることで、管理職のプレッシャーを相対化できます。
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よくある質問
Q. 管理職の「罰ゲーム化」、結局どこがポイントですか?
管理職になりたくないという感覚は、個人の弱さではなく構造的な問題です。実際、56.7%が「自社の管理職は罰ゲーム化している」と感じているという調査データがあります。
まとめ:「昇進しない」はもはや逃げではない
管理職の罰ゲーム化は、個人の弱さが原因ではなく、構造的・制度的な問題です。データが示す通り、6割以上のビジネスパーソンが同じ感覚を抱えている。
大切なのは、「管理職になるべきか否か」という二択で悩むのをやめること。自分の強み・ライフスタイル・市場価値を冷静に分析した上で、キャリアを主体的に設計することです。
管理職というポジションは、あなたのキャリアのゴールではなく、あくまで手段のひとつにすぎません。それを忘れないようにしてください。
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