「AIを使って効率化できました」と報告してくる新人ほど、実は危ない。
効率化できたように見えているだけで、アウトプットの質が下がっていることに気づいていないケースが多い。AIを使うこと自体は正しい。問題は何をAIに任せて、何を自分でやるかの判断軸を持っているかどうかだ。
この記事では、現役コンサルとして日常的にChatGPT・Claude・Geminiを使い分けている筆者が、「AIに任せていい仕事」と「自分でやるべき仕事」の具体的な線引きを解説する。
新人が降る「AI丸投げ」の罪
今年の新入社員向け生成AI研修の導入率は結4割に達し、就活AIを積極活用した新卒は前年比30ポイント以上増加している。AI活用はもはや新人の「当たり前」になりつつある。
しかしここに大きな落とし穴がある。
AIを使いこなせる人間と、AIに使われている人間は、見た目が同じでも中身がまったく違う。
前者はAIのアウトプットをレビューして改善できる。後者はAIが出したものをそのまま提出する。上司がどちらを評価するかは明白だ。
コンサル新人がAI活用で失敗するパターンは主に3つだ。
パターン①:アウトプットの質を判断せずに提出する AIが生成した構造・文章をそのまま使う。見た目はきれいだが中身が薄い。
パターン②:指示が曘昧なまま投げる 「この情報をまとめて」だけでAIに投げる。背景・目的・読み手を伝えないため、的外れな結果が返ってくる。
パターン③:AIが間違っていることに気づかない ハルシネーション(AIの誤情報生成)を事実として報告してしまう。数字・固有名詞は必ず自分で確認するという習慣がない。
「AIに任せていい仕事」の条件
筆者が実際に判断している基準はシンプルだ。
「自分でやった場合のゴールイメージが頭にある仕事」はAIに任せていい。
具体的には以下のような仕事だ。
AIに任せていい仕事
構造の整理・骨格づくり 情報の分類・グルーピング・階層化はAIが得意だ。ただし、出てきた構造が本当に正しいかを自分でレビューすることが前提。自分でMECEを作った経験がなければ、レビューできない。
リサーチの初期スキャン 「この業界のトレンドを調べて」という初動のリサーチはAIが高速で行える。ただしウェブ上にない一次情報(現場の声・顧客の本音)はAIには取れない。
文章の初稿生成 メールの下書き・報告書の骨格・提案書の構成案は、AIに初稿を作らせてから自分で磨く流れが効率的だ。
「自分でやるべき仕事」の条件
逆に、以下の仕事はAIに任せてはいけない。
AIに任せてはいけない仕事
クライアントとの対話・ヒアリング クライアントの本音を引き出す場面、相手の表情・温度・制度的背景を読む場面は人間がやるしかない。
アウトプットの最終レビュー・判断 提出列に並ぶ前の最後の確認は必ず人間がやる。「AIが出したので正しいはず」という思考が最も危険だ。
数字・固有名詞の事実確認 AIは名前・日付・数字を平然と假計する。クライアント・競合・法律関連の数字は必ず一次情報で確認する。
自分の意見・判断の表明 「私はこう思う」という背骨のある発言は、AIに代替させることはできない。自分の経験・生きたコンテキストから生まれる意見の過程は人間の仮値だ。
実際のワークフロー例:提案書作成を例に
コンサルの提案書作成を例に、実際の流れを整理する。
AIに任せるパートは、業界トレンドの初期リサーチ、提案書の骨格・目次の初稿生成、データの集計・可視化、文章の校正だ。
自分でやるパートは、クライアントヒアリングで論点を導く、提案のコアメッセージを考える、クライアントが「動く」のを背中で確認する、全体のアウトプットを最終レビューすることだ。
この割り山を間違えると、「時間は省けたが、クライアントに刺さった」という結果になる。
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まとめ:AI时代のコンサル新人の村資にるのは「判断軸」だ
AIを使うかどうかではなく、AIに任せる場面と自分でやる場面を正しく判断できるかどうかが、AI時代のコンサルとしてのレベルを決める。
AIを丸投げする新人は3年後に「作業員」になる。AIを判断軸を持って使いこなす新人は3年後に「コンサルとしてのコアバリューが明確な人材」になる。
その判断軸を作るのは、前回の記事で解説した「泥臭い仕事の経験」だ。コンサル新人にとってAIの正しい使い方は、まず泥臭い仕事を自分で経験することから始まる。
→ 前回記事:コンサル新人こそ泥臭い仕事から逃げるな
→ 次回記事:AIに代替されないコンサルタントのバリューとは
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